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うな重

 

 

今日はうな重一個廃棄にしてしまって落ち込んでいる。廃棄といっても、落としてしまった、ひっくり返して中身が出てしまった、などという類ではなく、単純に、売り切れなかった、売れ残りによるものである。明日になれば廃棄、そう云う事。何故こんなに落ち込んでいるかというと、それはこれから言う。

PM8:20の段階で1706円の国産うな重700円に下げてあるの残り数は多分4つであった。8:30にそれを600円に下げた。うちのスーパーは1/4まで下げて良い事になっているので、当然430円まで下げて良いのだが、なんかこう、一年もスーパーに勤めていると、売り上げを少しでも上げたいという、セコい考えが浮かんでしまうのだ。600円と言えば、普通の弁当が通常価格で429円、さらにこの時間帯になれば150円又は100円に値下げして販売しているのを考えれば、その弁当4つ又は6つ買える値段である。実際、弁当は全て売り切れ、隣のうな重の前にも何人も人が立ったが、売れたのは、一つだけだった。

その後、8:50、閉店10分前に、その例の最高値引き価格である1/4価格に下げようと値引き機を持ってうな重に近づいたところ、2人組のお客様がやってくる。ここでまた、セコい売り上げ貢献心が働き、500円で買ってくれ?と、そうしてしまった。それでも一個売れ、残2。しかしまだタカをくくっていた。

もともと閉店後、従業員買い物タイムに430円に下げ、従業員の方に、買って行ってもらおうという魂胆だったのだ。

しかし、従業員にも、一つしか売れず。

それで残ったひとつ廃棄という訳なんであるが、ここまで話して、なんて狡い人間なんだと自分でも思うが、私は肝心な、私の罪の核心に触れる事を話していない、。

実を言うと、7:30の段階で、私は、自分と、家族の分、6つのうな重を、作業場に下げていたのだ。確保しておくことそれ自体は、チーフに勧められた事でもあるし、悪い事ではないが、なんとも言い難い後ろめたさがあるのは、俺は、一方で売り上げのことを気にしてはいるけれども、おのれの買う分においては、全て1/4ギリギリまで下げるという事を即座に行なっていたのだ。今書いていて我ながらがめついとは思ったが、そんな事はもうとっくに開き直っているし、心も少々痛む程度であった。

営業中にうな重が全て売れてしまったら、自分だけ取っておいてしかも売り場で出ている値段より安く買おうとしている事がバレたらが怒られそうだし、なんとか閉店まで残し、自分と同じ値段で従業員が買う、そういう状況を作りたいがためにああいったセコい値引きをしていたのであって売り上げなんてのははちっぽけな理由で、理由というより、なんていうんだっけこういう自己弁護のための理由作りのことを、。

でも、俺が心にしこりを作ったのはそれもあるがそれだけではない。

自分が狡い人間だとか、それは確かに要因としてはあるが、本当に、申し訳ない気持ちになるのは、まあ、食べ物をゴミにしてしまったという罪悪感はまずあるけど、まだ理由がもうひとつあって。

私がちょうど売り場に出ていた時に、とある母親と息子が、600円のうな重をのところに来て、しばらくうな重を見ていたんだけど、でも、その親子は買わなかったんだ。ただ、母親が、息子にひとこと、(食べなくても生きていけるよね)   っていって立ち去ったのが心に刺さって。俺は前のブログでみんなはうまいもん食ってるけど自分はうまいもんは食えないんだなんだと言っていたが、これじゃまるで逆じゃないか。ちくしょう。話は戻るがもしそれが430円だったら、やっぱり買わなかったのかな、いや、分からないが買ったと思う。600であんなに迷っていたのだもの。てかその親子が買わなかったとしても、売れ残る事はなかっただろう。だから、だからというかさ、とにかく、あのうな重が明日、ゴミ袋の中に投入されるってのは、紛れもなく俺のせいなんであるのよ。

もうここまで書いたら罪悪感ほどんどなくなってるわけ。クソ。それより、今日ゴミ袋に米が炊飯器一回分くらい捨てられてて、あと、ピンク色の生姜、紅じゃないやつ、拾って食いましたよ、コメは大して食えなかったが、生姜うまかったなぁ....もったいないよほんと。